Episode2「ハッピーかき氷大作戦・後編」

ハッピーボーイがポーイっと投げたかき氷が空中を舞う。
スローモーションのようにゆっくりと、綺麗な弧を描きながらついに、ヤーさんの口にかき氷が運ばれた。

かき氷を食べたヤーさんの脳はビックリ!心臓が停止し、走馬灯が走る。

回想…

ヤーさんは正義感の強い子どもだった。
優しくて強いヤーさんのまわりにはいつも人が集まった。
面倒見の良かったヤーさんは誰でも分け隔てなく受け入れた。

そのうち、ヤーさんのまわりには、社会に馴染めない人たちが集まっていった。
ヤーさんは全部受け入れた。そして彼らを守るために組織を作った。
それが「ヤ組」だ。

ヤーさんにとってヤ組の組員は家族のような存在。
家族が何度道を踏み外しても、ヤーさんは全部受け入れた。
ヤーさんは彼らに生きる場所を与えるのに毎日必死になった。
楽しいこともあったが、毎日同じことの繰り返しだった。
そして、いつしかヤーさんの顔から笑顔が消えた。

走馬灯が走り去り、ヤーさんの心臓が再び動き出す。
ヤーさんは、今までに感じたことのない幸福感によって支配された。
目には涙がキラリ。口元はニッコリ。

そして、ヤーさんが口を開いた

「ハピハピさん、あんた凄いよ。
このかき氷を地球の全員が食べたなら、間違いなく世界は一つになる。
私の力が及ぶ範囲で、ハピハピさんたちの邪魔はさせない。
全力で応援するよ。」

そう言って、ヤーさん達は帰って行った

人類ハピハピ化計画完了まで
「残り78億9197万人」

つづく…